unicoスタッフのお家での過ごし方

自分らしくいられる心地良い空間で、
肩の力を抜いて日々の暮らしを楽しむ。
そんな“unicoらしい” 時間を大切にするスタッフの
お家での過ごし方をご紹介。

本に囲まれた暮らしと、
雨の日に読みたい本
  • STAFF 橋本(本社スタッフ)

平日仕事が終わった後も、休日も、僕が自分のための時間として大切にしているのが本を読む時間。
今までは仕事終わりは必ずバーに寄って本を読み、休日は本を片手に出かけ、古書店へ新しい本との出会いを探しにいくのが日課でしたが
家で過ごす時間が多くなった最近はお風呂やトイレ、キッチンなど、家のどんなところにも本を持っていくようになりました。

活字に触れることや、作家の言葉に耳を傾ける時間、紙の質感や匂い。ページをめくる時の紙が擦れる音。
それら全てが僕にとっては精神安定剤のようなもので、穏やかな自分に戻れる時間になっています。

好きな作家の見つけ方 好きな作家を見つけるときは、まずはタイトルやあらすじから気になったものをいくつか読んでみるようにしています。
初めは直感で手に取ることが多いのですが、読み比べるうちに好きな作家の系統がなんとなくわかるようになってきます。

僕の場合は絵をイメージさせるような情景描写や、白黒つけないストーリー構成、柔らかい語感。
言葉だからこそ、不思議と人間臭さや感情が現実よりもリアリティを持って伝わってくる気がして、
登場人物の抱える問題や複雑な心境に共感できたり、通じるものを感じ取ることができます。

雨の日に読みたくなる本 好きな作家はたくさんいますが、雨が続く今の時期に読みたくなるのは、表現や描写に心地よい湿り気や切なさがある作品。
学生時代は文学部で日本文学を専攻していたこともあり、好きな表現にポストイットで印をつけたり、ノートに書き留めていたことも。
その名残か、今でも気に入ったフレーズや好きな作品は頭の中の引き出しにストックする癖がついています。

好きな作家の一人でもある江國香織さんの作品は、雨の日に読みたくなる作品の一つ。
情景や登場人物の心情をありありとイメージさせるような表現は、文字なのに映画を見ているような感覚になります。
『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』という作品は、様々な“愛”の形について綴った短編集。
どこか危なっかしくも切なくて、美しく、それでいてささやかな可笑しさも秘めた物語が10篇収録されています。
ここではあえてその一つ一つには言及しませんが、どれも綺麗な湿っぽさがあり、雨の続く今の季節にぜひ読んでほしい作品です。
長編小説よりも手を出しやすいので、普段あまり本を読まれないという方にもおすすめです。

家での読書もすっかり定着した最近のマイブームでいうと、お酒を片手に夏目漱石を読むこと。
漱石というと戦前の作家ですが、伝えようとしているテーマは現代にも通じていて、
お金や人間関係、恋愛について回る迷いや悩みなどの人間臭さが描かれています。
今読んでもとても新鮮で、時が経っても人間の本質は変わらないんだなと気づかされます。
言い回しが気難しいところもありますが、今の時期は雨音に助けられてか静かに読み進められる気がします。

気分が上がらない天気の時は、無理に元気いっぱいに過ごすのではなく、静かに自分のために過ごす時間も大切なのかもしれません。
自分らしく過ごして梅雨を乗り越えたいと思います。